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1994 年度 実績報告書

高量子効率光電子増倍管の試作

研究課題

研究課題/領域番号 05554003
研究機関東京工業大学

研究代表者

嶋 達志  東京工業大学, 理学部, 助手 (10222035)

研究分担者 鈴木 誠司  (株)浜松ホトニクス, 電子管事業本部, 主任部員
永井 泰樹  東京工業大学, 理学部, 教授 (80028240)
キーワード光電子増倍管 / 量子効率 / 光電陰極 / バイアルカリ
研究概要

高量子効率を持つ光電子増倍管実現は、気体、固体等のシンチレーション物質による放射線計測、微量物質の蛍光分析、フォトンカウンティング等様々な光計測の分野で切望されている。本研究は、光電子増倍管の光電面において、光電子生成に寄与せず透過してしまった光を、反射鏡、第二の光電面などにより再利用し、量子効率の向上を試みようとするものである。従って、入射光がどれくらいの割合で光電面を透過するかが本研究の最も大きなポイントである。ところが、光電面の透過率についての系統的な測定データは従来皆無であった。そこで、最も一般的に用いられる光電陰極材であるバイアルカリ(K_2CsSb)について、3種類の異なる膜厚の光電面を持つ光電子増倍管を試作し、入射光の波長と、光電面の・透過率、・反射率、・吸収率、・感度特性(量子効率)との関係を調べた。その結果、例えば波長400nmの入射光に対して、下記のような結果が得られた。
上記の結果から、透過光を再利用することにより、光電膜厚38nmのもので量子効率が30%近く、また通常品でも約15%程度向上すると期待される。この結果は定量的なデータとしては世界的に前例のないものであるとともに、本研究のねらいが根本的には達成されたことを示すものである。さらに、光電面一枚あたりの量子効率がそれ自身の膜厚によって大きく変化することも判明した。これは光電陰極材そのものの物性によるものであり、膜厚を最適化するためには引き続き研究を要する課題である。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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