極低温ヘリウム吸着法によるオングストロームオーダーの極微細孔の評価法をほぼ確立した。7A以上の細孔系では、4.2Kでのヘリウム吸着速度は極低温にもかかわらず、数分以内の高速で完了した。この現象はスリット型細孔中のHe原子がスリット細孔表面方向への並進運動が励起されているためと考えられた。細孔容積の明らかな、各種ゼオライトを用いて極微細孔中の吸着ヘリウム層の密度を決定した。その密度は細孔の形状と大きさに依存した。スリット型細孔では平坦表面上のヘリウム吸着層の密度の0.20ml/gに近いことが示された。カーボン系でのDubinin-Stoekli関係を利用して、Gauss分布を用いると、容易に細孔分布が得られた。ヘリウム法からの細孔分布は、窒素吸着法よりも、小さい方向へシフトしており、小さいプローブの特徴が認められた。 解析を一般化するために、吸着第1層と第2層との分配を分子ポテンシャルから求める方法を確立した。さらにヘリウム吸着に対するグランドカノニカルアンサンブルモンテカルロ(GCMC)法による分子統計力学法を開発した。GCMC法煮よって等温線が求められるようになった。今後は細孔分布の決定にGCMC法による分子統計力学法を適用する段階に達した。
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