分子進化学における総合的遺伝情報解析ソフトウェアの開発研究

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05554027
• 研究機関: 国立遺伝学研究所
• 研究代表者: 五條堀 孝 国立遺伝学研究所, 遺伝情報研究センター, 教授 (50162136)
• 研究分担者: 鵜川 義弘 農業生物資源研究所, 遺伝資源第2部, 科長 (20232803) ; 斎藤 成也 国立遺伝学研究所, 進化遺伝研究部門, 助教授 (30192587) ; 舘野 義男 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助教授 (00202424) ; 長谷川 政美 統計数理研究所, 教授 (60011657) ; 宮田 隆 京都大学, 理学部, 教授 (20022692)
• キーワード: 分子進化学 / 遺伝情報解析 / ソフトウェア / 塩基配列データ / DDBJ / 画面インターフェイス / 病原性ウイルスの進化 / 大量情報

研究概要

本研究の目的は、分子進化学において有用な遺伝子情報解析ソフトウェアを総合的に整理し、開発研究を行なうことである。特に、分子進化学において基本的なデータとなる塩基配列データは大量化してきており、その増加率も驚異的に伸びている。このため、総合的な遺伝情報解析ソフトウェアを開発研究する上で、この大量化された塩基配列データを、いかに効率よく解析できるようなインターフェイスを開発するかが重要なポイントになっている。このため日本DNAデータバンク(DDBJ)の塩基配列データベースを効率よくアクセスするためのインターフェイスソフトウェアを開発した。これは、画面上でさまざまなメニューに基づいて塩基配列データベースを自由にアクセスできるようになっている。この開発されたDDBJデータベースアクセスシステムを用いて、病原性ウイルス遺伝子の分子進化的解析を、一つの実行例として行なってみた。この成果に基づいて更なる改良を行なうポイントを整理することが可能となった。

研究成果

• [文献書誌] Miura,T.: "Phylogenetic subtypes of human T-lymphotropic virus type 1 and their relations to the anthropological background." Proc.Nall,Acad.Sci.U.S.A.91. 1124-1127 (1994)
• [文献書誌] Ina,Y.: "Reduction of synonymous substitutions in the core protein gene of hepatitis C virus." J.Mol.Evol.38. 50-56 (1994)
• [文献書誌] Gojobori,T.: "Molecular evolution of serine protease and its inhibitor with special reference to domain evolution." Philosophical Transactions:Biological Sciences,The Royal Society. (印刷中). (1994)
• [文献書誌] Ina,Y.: "Statistical analysis of nucleotide sequences of the hemagglutinin gene of human influenza A viruses." Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.(印刷中). (1994)
• [文献書誌] Kitakami,H.: "Building and search system for a large-scale DNA database." Proceeding of Mol.Bioinformatics,IEE 94. (印刷中). (1994)
• [文献書誌] Gojobori T.: "Evolution of pathogenic viruses with special reference to the rates of synonymous and nonsynonymous substitutions." Jap.J.Genet.(印刷中). (1994)
• [文献書誌] Gojobori T.: "Human Population Genetics(Ed.,P.Majumder)" Plenum publishing Corp., 8 (1993)