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1993 年度 実績報告書

極微領域間原子移送機構の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05555007
研究機関東京工業大学

研究代表者

富取 正彦  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10188790)

研究分担者 高柳 邦夫  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (80016162)
キーワード走査型トンネル顕微鏡 / 電界放射顕微鏡 / 3次元粗動機構 / 原子移送 / ピエゾ慣性駆動モータ
研究概要

今年度は、試料と探針先端間で起こる原子移送現象を解明・制御するために、探針の加工・評価モードとSTM/STSモードを迅速に切り換えることができる装置を製作した。本装置は極微領域間原子移送機構の心臓部である。探針先端と試料間の原子移送は、両者間の高電界や、局所的な高密度電流によって起こると考えられる。そこで、STM制御技術を活用し、電界、電流、探針-試料距離を高精度に制御し、FEM,A-P法を基にして探針先端を原子スケールで直接的に評価する。本装置の設計には、探針先端がFEM,A-Pのスクリーンまたはイオン検出器に対向しているか、または極めて接近した試料に対向しているかという配置の違いを克服し、探針評価モードとSTMモードを迅速に切り換えられることが要求される。その際、接触事故により探針先端の原子配列を変化させてはならない。
本装置では2つのモードを切り換えるために、3組のピエゾ慣性駆動モータとリニアーステージを組み合わせた3次元粗動機構を独自に設計・製作した。この粗動機構を用いて最小の移動量でモードを切り換えるために試料ホルダーに穴を設けた。試料近傍のこの穴に探針を向かい合わせれば、試料後方のスクリーンまたはイオン検出器で探針を直接的に評価でき、その後すぐに、試料観察のためのSTMモードに戻すこともできる。
今年度の開発では探針評価法としてFEMを採用した。FEMの分解能は10A程度で原子分解像は得られない。しかし、異物の吸着による仕事関数の変化には敏感で、探針先端の清浄度を評価できる。開発したSTMは、探針ホルダーに装着したまま探針を通電加熱できるので、簡単に探針表面を清浄化でき、さらに、高電圧を印加して加熱すれば先端を先鋭化することもできる。今年度に開発された本装置を用いれば、探針にダメージを与えることなく観察モードを迅速に切り換えることができるので、極微領域間原子移送機構の実現へ大きく近づくことができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Tomitori: "“Construction of an STM/FEM with a 3-Dimensional Coarse Mechanism Using Piezo-driven Micrometers"" Abstracts of Int.Conf.on STM'93. 217-217 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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