研究課題/領域番号 |
05555010
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
浅野 種正 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 教授 (50126306)
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研究分担者 |
牧平 憲治 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 助手 (10253569)
比嘉 勝也 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 助手 (40238259)
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キーワード | 電子波干渉 / 真空マイクロエレクトロニクス / 微小電子源 / 電界放射 / ダイヤモンド |
研究概要 |
本研究は、電子の波動性を利用し、その位相を制御することでスイッチングを行う電子波干渉型素子を、真空マイクロエレクトロニクス技術で実現することを目的とする基礎研究である。昨年度のシミュレーションの結果を踏まえ、本年度は、最適な素子構造を実現するための電子源の作製工程の開発、および低電圧で安定に動作させるための新しい電子源材料の検討を行った。 (1)Si微小電子源の新しい作製法として、スパッタ法における堆積粒子の回り込みを、堆積時の圧力を変化させて制御することを利用した自己整合工程を開発した。この方法で、数十ボルトの印可電圧で電子を真空中に放出できるSi電子源を作製できることを示した。 (2)Si基板上に合成したダイヤモンドから、電子放出が起こることを見出した。放出電流は、不純物を導入しないダイヤモンドの方が大きい。これは、不純物の導入で結晶粒子の晶癖が乱れ、電界集中が弱くなるためである。また、放出電流を最大にする最適熱処理温度が存在することを見出した。 (3)合成ダイヤモンドの加工法として、イオンミリング法を応用し、その後の熱処理と組み合わせれば、放出電流を大幅に増大できることを示した。 (4)ダイヤモンドからの電子放出は、Si等に比べ、真空度の悪化に伴う放出電流の減少が小さいこと、すなわち、より安定に動作することを示した。 (5)プラズマ処理法を適用し、ダイヤモンドからの電子放出は、ダイヤモンド表面の化学的な状態で大きく変化することを示した。
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