研究課題/領域番号 |
05555013
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大津 元一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70114858)
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研究分担者 |
永井 治男 アンリツ株式会社, 第二研究所, 研究部長
寺町 康昌 労働省, 職業訓練大学校・情報工学科, 教授
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キーワード | 光ファイバ / トンネル顕微鏡 / エッチング / 分解能 / 原子間力顕微鏡 |
研究概要 |
本研究では光ファイバ・プローブが必須素子であるのでまずこれを製作する方法を確立した。特に我々が既に開発した化学エッチング法をさらに発展させて、二段階エッチング法を考案した。これはコア部を先鋭化し、外周のクラッド部直径を減少させ、プローブ外周と試料との接触を避けるものである。この方法によってクラッド外周直径を従来の約1/20まで減少させることができた。 ところで画像の分解能はプローブの先端曲率半径、先鋭角、試料との距離によって決まる。我々がさきに提案した仮想光子モデルを利用してこれらの関係を明らかにするための理論計算を行った。その結果、先鋭角が20度以内であれば分解能は先端曲率半径、試料との距離とによって決まることが明らかになった。上記のプローブはこの条件を満たしている。 このような細いプローブは試料との原子間力によりたわみ易いことを利用し、プローブと試料との間の距離を高精度で制御するためのサーボ系を開発することができた。またこのサーボ系は原子間力顕微鏡としても同時に働くのでフォトン走査トンネル顕微鏡の性能の校正に利用することができるようになった。 本顕微鏡を溶液中で作動させるための予備実験として色素のドープされたラテックス球(直径50nm)に紫外線を照射しながらプローブで蛍光を検出する光子計数システムを開発し、その動作を確認することができた。 以上の実験により液体中で動作するフォトン走査トンネル顕微鏡の基礎が確立したので、次年度への橋渡しができたと考えられる。
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