研究課題/領域番号 |
05555019
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
若槻 雅男 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50114153)
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研究分担者 |
佐藤 周一 住友電気工業(株), 伊丹研究所, 主任研究員
鍵 裕之 筑波大学, 物質工学系, 講師 (70233666)
高野 薫 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (60133005)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 高圧力 / 圧力計測 / 実時間計測 / 圧力効果 / 熱起電力 / 熱電対 / データ処理 / 圧力効果の損失 |
研究概要 |
(1)高精度起電力測定系(例接点温度評価系を含む)とパソコンからなる測定・データ処理系を構築、一次測定器にはHybrid Recorder(以下HR)、デジタル測定器(1)または同(2)の3機種を試用した。測定精度の差はあるが本質的には同等で、出力周期は1〜6秒であり、実質的な実時間計測が実現された。JIS-K及びS型熱電対とその起電力への既知の圧力効果に基づき、立方体アンビル装置でまたはピストン・シリンダ装置で発生する5GPa級固体圧の計測で、【+-】0.2GPaのランダムノイズを含む圧力信号が得られた。過去50〜100回のデータを用いた移動処理によるスムージングにより0.02〜0.05GPaの測定分解能が得られた。 (2)高圧空間への熱電対導入部温度が0℃でないことに起因する圧力効果の損失(逸失)を補正する方法を考案、完成した。補正量は10〜20%。 (3)立方体アンビル装置の場合、起電力をアンビル経由で測定する方法において、アンビル先端温度(冷接点温度Tm)を1℃の確度幅で評価し、圧力評価を行うことを可能にした。従来方に対する損失は、[1]高温接点を小さくでき、試料内温度分布の影響を避けられる。[2]圧力効果の損失の補正が正確になる。[3]アンビルによるTmの差が新たな誤差を導入してしまう。なお従来法での誤差の主起は(1)大きな高温接点(太い素線)によるspuriousな圧効果と(2)導入部温度の曖昧さであった。 (4)1個の試料内で故意に起こした圧力変動に対する評価圧の応答は変動幅に等しく、発生圧(例えば反応圧)の変動を0.02〜0.05GPaの分解能で監視する手法としては成功裏に確立された。 (5)700℃以下の高温接点温度では熱電対の劣化は問題にならない。 (6)上記(3)に記した新・従来の両法共に、[3]または(1)の理由で、発生圧の絶対評価には問題があることが明らかにされた。しかし「新」方法では全アンビルのTm計測により解決できることも明らかになった。
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