研究概要 |
マイクロアセンブリ装置については既存の常温接合装置に今回備品として購入した計算機等を接続し、位置決めのための経路探索シミュレーションを可能とした。また、同じく備品として購入した切断機により、接合対象の微小部品の精密切断前処理を行なった。接合実験としてマイクロアセンブリの対象となっている半導体チップの接続を行った。対象は300μm径のはんだバンプであり、銅基板へ直接常温接合することを試みた。その結果アルゴンFAB照射1.5keV900s、5×10-5Pa程度の真空で常温接合が可能で、Cu-Snの組み合わせでは接合強度は40MPaに達し、破断はSn内部で生じていることが分かった。その他、Cu,Al,W,Mo/Pb,Pb-Sn,Snの組み合わせにおいても同様の検討を行った。このうちAl-Pb系については強度が10MPa程度と他に比較すれば弱い。また、微小球では4×10-8m2の接合面積、半導体チップのはんだバンプにおいては約0.7×10-8m2の面積で接合強度は最大となり、これより接合面積の小さいものは強度が急激に減少する。この面積は変形率で約20%に相当しており、微小な接触面内の圧接応力の分布や微小領域の接触などがマクロな接合に大きく影響していると考えられる。以上の結果から、半導体微小バンプを例に、常温でのマイクロアセンブリが適当な変形量と材料の組合せを選定すれば可能であることが示された。
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