研究課題/領域番号 |
05555020
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須賀 唯知 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40175401)
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研究分担者 |
沢田 廉士 日本電信電話株式会社, 境界領域研究所, 主幹研究員
佐々木 元 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (30192595)
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キーワード | マイクロマシン / アセンブリ / 微小接合 / 表面活性化 / 常温接合 / マニピュレータ |
研究概要 |
本年度は、マイクロアセンブリ装置中に制御系及びビームを設置し試作実験を行った。制御系のマニピュレータは、上下の接合試料がサブミクロンオーダの位置合わせ精度を持ち、相対的に任意の位置、姿勢を取ることが要求されているため、開発した超高真空用多軸マニピュレータは、合計13自由度を有している。これらの駆動軸は、コンピュータ、シーケンサによって加減速制御を行うことができる。上側マニピュレータには、部品(上側試料)をクランプするための開閉式フォークを設置した。クランプ機構には、小型、軽量でかつ大きな変位を得ることのできるアクチュエータとして形状記憶合金を用いた。クランプ部の可動ストロークを5mm、変態温度を約60度として設計、試作を行った。試作装置の動作確認は微小針とLSIチップを用いて行った。観察に使用されたSEMは数十ミクロンサイズの微小体の観察系として十分な性能をもつことが確認された。マイクロアセンブリの手段として本研究で提案している常温接合を行うため、表面活性化の手段として高速原子ビームを設置した。このビーム照射によるエッチング実験を金蒸着膜を用いて行った。プラズマ電流1mA、印加電圧1.5kV、Arガス圧(ビーム側1.3×10^<-3>Pa、接合室側1.5×10^<-5>Pa)で72nm/secの速度でエッチングされることが確認された。装置の上部には圧接の荷重を負荷するためのエアシリンダとロードセルを設置した。 本接合手法の有効性を明らかにするために微小接合実験(直径340μmのSnボールとAl板の常温接合)を行った。この接合では十分な強度が得られ、TEMによる組織観察では接合界面が原子レベルで接合されていることが明らかになり、この手法の有効性が確認された。
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