研究課題/領域番号 |
05555021
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
早川 禮之助 東京大学, 工学部, 教授 (00011106)
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研究分担者 |
田中 克治 大塚電子(株), 技術部(研究職), 係長
岡 宏一 大塚電子(株), 研究開発部(研究職), 部長
木村 康之 東京大学, 工学部, 助手 (00225070)
伊藤 耕三 東京大学, 工学部, 講師 (00232439)
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キーワード | 準弾性光散乱 / 電気泳動 / 2次元スペクトロスコピー / 周期的定常系 / 拡散定数 |
研究概要 |
本研究の目的は、各種の物質・材料の微視的揺らぎに関して従来より格段に詳細な情報を得るための測定手段として、核磁気共鳴法(NMR)や赤外分光法(IR)におけるスペクトルの2次元化の手法とは異なる原理に基づいた、新しい2次元測定法としての2次元準弾性光散乱スペクトロスコピーを開発することにある。 本年度は、レーザー光源、正弦波高電圧発生器、測定用セル、ヘテロダイン光学ユニット、フォトンカウンティング方式を用いた光検出系などから構成される2次元準弾性光散乱スペクトロメータの製作と平行して、スペクトロメータの簡単なプロトタイプを構成して2次元準弾性光散乱の予備的な実験を行なった。その結果、時間差τだけでなく、初期時間tにも依存する周期的定常系の相関関数C(t,τ)=〈I(t)I(t+τ)〉から複素電気泳動易動度の虚部あるいは位相成分についての情報が得られること、さらに従来の測定法に比べ高周波領域における測定精度が大幅に改善されることなどが明らかになり、本測定法の広帯域スペクトロスコピーとしての有効性が示された。また周期的定常過程に拡張されたウイーナー・ヒンチンの定理を見出し、これを用いて、相関関数C(t,τ)を経由することなく、C(t,τ)の2次元フーリエ変換として定義されるパワースペクトルを散乱光の揺らぎから直接リアルタイムで求める新しい測定法を考案した。 平成6年度は、周期的定常系の相関関数測定だけでなく、拡張されたウイーナー・ヒンチンの定理を用いた2次元パワースペクトルのリアルタイム測定も可能な2次元準弾性光散乱スペクトロメータを完成し、ポリスチレンラテックスやポリスチレンスルホン酸などの標準試料を用いて測定システム全体の特性評価を行なう。
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