ジャイロ干渉計の位相感度は2mωS/hで与えられるので、干渉計が囲む面積Sを大きくすることが望ましい。また、将来実用化されるためには、信頼性が高い半導体レーザーが使える方がよい。これらのことを考慮して、我々が今まで研究してきたNeの代りにArを用いた干渉計を試作することにし、設計を行った。Sを大きくするため、ダブルスリットに代えて回折格子をビームスプリッターとする干渉計を組むことにした。回折格子の採用は、我々が開発した静電的な原子レンズ利用や、ビーム合成時に同じ回折格子を使ってパターンマッチングによる干渉の検出が出来るため、今までよりはるかに検出原子数を大きくすることが出来ると結論された。実験は、他の研究と干渉しないように独立した真空装置を組み立てたため、若干予定より遅れているが、現在、2μmピッチの回折格子による回折実験に成功し、目下、ビームの合成実験を行う段階である。
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