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1993 年度 実績報告書

高速・高精度位置決め用小型・高トルク超音波モータの試作

研究課題

研究課題/領域番号 05555023
研究機関東京工業大学

研究代表者

上羽 貞行  東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (90016551)

研究分担者 黒澤 実  東京工業大学, 工学部, 助教授 (70170090)
深尾 正  東京工業大学, 工学部, 教授 (10016545)
キーワード超音波モータ / 複合振動子型 / 精密位置決め / 高速位置決め / 圧電素子 / 等価回路モデル / 弾性潤滑状態 / 負荷特性
研究概要

これまで直径5mm〜80mm、駆動周波数20kHz〜30kHzの複合振動子型超音波モータを試作し、動作特性を明らかにした。実現したモータの動作特性は、直径5mmのモータで最大トルク50gf・cm、無負荷回転数800rpm、効率20%、直径80mmのモータでは最大トルク160kgf・cm、無負荷回転数3rpm、効率2%をであった。これらの特性を従来の電磁型モータと比較すると直径10mm以下では100倍近いトルクが得られていることになる。
得られた成果を列挙すると次のようになる。
(1)複合振動子型超音波モータの動作特性を容易に推定できる過渡特性測定を用いた手法を提案、開発した。
(2)摩擦及び潤滑理論を用いた検討から、弾性潤滑状態が駆動部とロータとの接触面での最適な摩擦状態考えられることを明らかにし、その実現に必要な動作条件を示した。
(3)得られる最大トルクは、摩擦力の限界で飽和し、この特性により、制動トルクが駆動トルクより必ず大きくなることを理論的に明らかにした。これより、立ち下がり時間が立ち上がり時間よりも必ず短くなるということが分かった。
(4)振動子、ロータ、摩擦特性を統合した等価回路モデルを新たに提案し、これを解析することで、最大トルク、無負荷回転数などを与えた仕様から決定する系統的な設計手順を確立した。
(5)最大トルクは直径の3乗に比例するなど、モータサイズと特性の関係を明らかにした。
(6)駆動波形の検討から、駆動正弦波波形の奇数倍の高調波を用いることで効率を改善できる可能性があることを明らかした。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Minoru Kurosawa: "Hybrid Transducer Type Utrasonic Motor" IEEE Transaction Ferroelectric Frequency Control. 38. 89-92 (1991)

  • [文献書誌] Kentaro Nakamura: "Characteristics of a Hybrid Transducer Type Ultrasonic Motor" IEEE Transaction Ferroelectric Frequency Control. 38. 188-193 (1991)

  • [文献書誌] Minoru Kurosawa: "Hybrid Transducer Type Utrasonic Linear Motor Using Flexural Vibrator" Journal of Japanese Applied Physics. 30. 209-211 (1991)

  • [文献書誌] Kentaro Nakamura: "An Estimation of Load Characteristics of an Ultrasonic Motor by Measuring Transient Response" IEEE Transaction Ferroelectric Frequency Control. 38. 481-485 (1991)

  • [文献書誌] 中村 健太朗: "複合振動子型超音波モータによる精密位置決め制御" 電気学会論文誌C. 111. 462-469 (1991)

  • [文献書誌] Kentaro Nakamura: "Design of a Hybrid Transducer Type Utrasonic Motor" IEEE Transaction Ferroelectric Frequency Control. 40. 395-401 (1993)

  • [文献書誌] 上羽 貞行: "新版 超音波モータ" トリケップス, 230 (1991)

  • [文献書誌] Sadayuki Ueha: "Ultrasonic Motor" Oxford University Press, 297 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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