研究概要 |
今年度は,変形およびひずみ分布を計測するシステムを構築した。画像データを入力するための装置を構成する。画像入力装置として,CCDカメラおよびビデオマイクロスコープを用いた。これらの装置から出力されるビデオ信号を一旦,画像処理ボードに取込み,そこから,ビデオモニタ,ビデオカセットレコーダ,ビデオプリンタおよびコンピュータに転送した。柔軟構造物の材料であるポリカーボネイトフィルムの基準の点にマーキングを施し,材料試験機で荷重を負荷した。負荷によってマーキング点が移動しないように,両側等変位駆動型の材料試験機を試作した。その際,微小荷重を測定するためのロードセルも併せて試作した。引張試験における変形の様子は,画像処理ボードによってデジタル化され,コンピュータのハードディスクに保存されるとともに,そのビデオ信号は直接ビデオカセットレコーダで録画された。各画像情報には,先のロードセルで測定される,画像情報のデジタル化のタイミングと同期した荷重データを付した。画像データのノイズを低減するために,スムージングなどの汎用画像処理を行った。そして,画像データ中のマーキングを抽出するためのプログラムを作製した。さらに,画像間でのマーキングの移動量から変位を求め,ひずみ分布算出プログラムを作製した。荷重データは公称応力に変換された。以上,作製されたプログラムを用いて,大変形時の柔軟構造物の応力-ひずみ関係やポアソン比等の材料定数を算定した。
|