研究概要 |
1.表面粗さ用光ファイバセンサの試作 本光ファイバセンサの原理を応用し,表面粗さ用光ファイバセンサを試作し,その性能を評価した.昨年度試作した光ファイバ変位センサとの違いは,ファイバとセルフォックレンズとを離し,光が収束されるようにしたことである. (1)表面粗さ標準片の測定 スポット径を小さくすることにより,振幅は小さいものの,標準片ピッチに等しい波形が観測できることを確認した. (2)エッジのスキャニング測定 高さ15μmの階段状のエッジについて,スキャニング測定を行ったが,本センサはその段差を検出できなかった. 2.絶対距離測定用光ファイバセンサの試作 昨年度試作した光ファイバ変位センサと同じ光学系を用い,専用の信号処理系を取り付けて絶対距離測定用光ファイバセンサを構成し,その性能を評価した.変位センサがビ-ト信号の位相より,変位を求めるのに対し,本センサは,ビ-ト信号の周波数から絶対距離を求める. (1)測定対象の表面性状の影響 アルミニウム箔,鋼の切削面,プラスチック板,鏡面を測定対象として,位置測定を行った結果,鏡面以外は測定可能であることを確認した.鏡面が測定できない理由としては,戻り光が大きいため多重干渉が生じ,ビ-ト信号の波形が乱れることが考えられる. (2)測定範囲と測定精度 測定可能な3種類の測定対象を用いて,30〜70mm間を1mm毎に測定した結果,45mm以上で測定可能であり,測定精度は標準偏差(10回測定)で,最大2mmであった. (3)距離と誤差の関係 測定距離が短いほど,本センサの位置誤差が小さいことを実験的,理論的に明らかにした.
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