研究概要 |
本試作研究の目的は,(1)高分解能,(2)広い測定範囲,(3)高い応答速度,を有し,(4)反射鏡を必要とせず直接に,鏡面,研削面,切削面,プラスチックなどの面の変位測定が可能である,という特徴を有する非接触光ファイバ変位センサを開発することにある.開発したセンサでは,シングルモードの光ファイバカプラとセルフォックレンズを用い,測定面の変位は,レ-ゼダイオードを用いた周波数変調により生じたビ-ト信号の位相変化を測定して求めた. 1.変位センサとしての性能を向上するために,以下のことを検討した. (1)光アイソレータにより戻り光の影響を除去した結果,応答速度は 1.14倍,測定範囲は26mmから46mmに向上できた.また鏡面も測定可能であることを確認した.(2)変調方式をのこぎり波から三角波に変更することにより,応答速度を15.4mm/sを実現した.また分解能を20nmから10nmにすることができた.(3)材質,加工法,表面粗さの異なる測定面の分解能,測定範囲 加工法の異なる鋼鉄やアクリル等10種類の測定面を用いて測定した結果,分解能はほぼ同一で,測定範囲は,いすずれも26mm以上であることを確認した. 2.本光ファイバセンサの原理を応用し,表面粗さ用光ファイバセンサを試作し,その性能を評価した.その結果、トポット径を小さくすることにより,振幅は小さいものの、標準片ピッチに等しい波形が観測できることを確認した. 3.試作した光ファイバ変位センサと同じ光学系を用い,専用の信号処理系を取り付けて絶対距離測定用光ファイバセンサを構成し,その性能を評価した.絶対距離はビ-ト信号の周波数から求めた,アルミニウム箔,鋼の切削面,プラスチック板,鏡面を測定対象として,位置測定を行った結果,鏡面以外は45mm以上で測定可能であり,測定精度は標準偏差(10回測定)で,最大2mmであった.
|