研究分担者 |
島 耕司 三菱化成株式会社, 総合研究所, 研究員
佐藤 忠一 日本精工株式会社, 生産技術研究所, 所長
橋詰 等 東京工業大学, 工学部, 助手 (50218400)
稲場 千佳郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (10223231)
新野 秀憲 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40196639)
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研究概要 |
本研究は電気粘性効果を積極的に利用した新たな構造概念に基づく能動形超精密送りテーブルシステムを実現することを目的としている.初年度の平成5年度においては以下の要素研究を実施し、次に示す工学上或いは工業上有用な研究成果を得ることができた. (1)超精密工作機械及び超精密計測機を対象に,現状のテーブルシステムの機能と構造を詳細に分析し,現時点におけるそれらの機能上及び構造上の問題点を抽出すると共に,更に高精度・高機能テーブルシステムを実現する上での具体的な開発ニーズを明らかにした. (2)現在,超精密加工機等において広く用いられているボールねじ駆動方式空気静圧案内テーブルシステムを対象に,それをモデル化した評価用テーブルシステムを設計,試作すると共に,それを用いて電気粘性効果を発現するための最適な電気粘性流体の選定,並びに最適電極間の形状,寸法の設定等,次年度において検討するための具体的なシステム構築に必要な基礎設計資料を整備した.なお,電気粘性流体について液晶系と分散系の詳細な特性比較を行い,それらの得失を明らかにした. (3)上述の能動形ボールねじ駆動方式空気静圧案内テーブルシステムのプロトタイプに対して,最適なテーブルの運動制御システムを試作し組込んだ.更に実際のテーブルの静的,動的な挙動を詳細に計測し,提案する電気粘性効果利用による特性制御が,能動形テーブルシステムを実現する上で有効であることを確認した. (4)上述の要素研究で得られた設計資料を基に次年度で研究対象とするテーブルシステムの概念設計を行い,駆動系と案内要素等の構造決定に必要な設計データを別の実験装置を用いて収集した. なお,初年度前期に得られた研究成果は,日本機械学会第71期全国大会において公表した.それ以降の研究成果についても日本機械学会第72期全国大会(1994年8月,北海道大学)にて公表予定である.
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