研究概要 |
円筒容器内に磁性流体と非磁性体の円筒を挿入し,内外の円筒をバネで接続した振動系を構成し,磁性流体部分に非一様交流磁場を作用させて,内筒に働く圧力変動により内筒の振動を誘起させる新方式の磁性流体アクチュエータを試作した。アクチュエータの動特性の最適条件を求めるために,振動系共振特性を求める線形方程式を解き,内筒に対する交流磁場分布の位置および交流成分の振幅の大きさを決定した。 次に,本試作装置の性能試験を行った結果,内筒の下端部に最大磁場強さの位置がくるように磁場を作用させることにより,大きな駆動力がえられることが判明した。さらに,内筒に重りを付加し,振動系の質量およびバネ定数を種々に変えて,振動数25Hzまでの範囲でのアクチュエータの動特性を求めた。なお,理論解析結果と実験結果との定量的な比較では,まだかなりの開きがあり,理論解析では考慮されなかった内円筒支持部でのクーロン摩擦力を的確に取り入れる必要があることが判明したので,次年度にさらに詳細に検討することにした。 以上の成果をもとに,次年度には,磁性流体アクチュエータの最適設計方針を確立するための開発研究を進める予定である。
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