研究概要 |
平成5年度は,三次元カラーPIVシステムを構築するための基礎的な課題について研究を行い,以下の成果を得た. (1)三次元カラーPIVシステムのハードウェア構成と性能評価: 三台のTVカメラ(カラーTVカメラ1台,モノクロTVカメラ2台),三台の光ディスクシステムおよびレーザドップラ流速計等を既存のワークステーションをホストコンピュータとする画像処理装置に連結し、三次元カラーPIVシステムとして諸機能が連動して動作するようハードウェアを構成し,システムが三次元温度・速度計測に対して性能を満足していることを確認した. (2)カラー画像処理アルゴリズムに関するプログラム開発: 流れの温度・速度のセンサーとして用いる感温液晶トレーサ粒子の特性を構成した上記画像処理システムとカラー画像処理により明らかにした.液晶粒子の呈色特性に関して,照明の入射角とTVカメラの撮影角度および液晶の温度により異なる光学特性を定量的に明らかにしこれらをデータベース化した.温度計測を精密に行うためには、流れ空間の個々の液晶粒子について,校正データに基づき色/温度変換を定式化する必要があることを提示した.複雑でかつ非線形な色/温度/入射角-撮影角度の関係を迅速に決定するためのニューラルネットワークを用いた定式化アルゴリズムを開発した.ついで,本計測手法の温度計測の適用性を評価するための,液晶粒子の温度変化に対する応答性を,数値シミュレーションにより明らかにした.さらに,空間の詳細な温度・速度を計測するための相関法を用いたカラー画像処理アルゴリズムを開発した.これらの温度計測のための開発プログラムと既に開発されている三次元速度計測プログラムとを結合し,3DカラーPIVプログラムとして動作するよう構成した.
|