研究概要 |
ノズル作用時にはスロット翼,ディフュ-ザ作用時にはタンデムディフュ-ザとなる可逆タンデム案内羽根を設計試作した。 次に,定常流小型タ-ビン試験装置を用いて,種々の流入条件に対するスロット翼列のノズル特性およびタンデム翼列のディフュ-ザ特性を解明するモデル試験を行った。その結果,案内羽根のノズル設定角theta_1(案内羽根直線部と周方向のなす角)は約15°,ディフュ-ザ設計角は約55°がタ-ビン作動特性に対して最適値であることを明らかにした。またスロット幅dについても最適値が存在し,無次元スロット幅d/l_B(l_B:案内羽根弦長)≒0.1であることを示した。なお,タ-ビンの起動特性に対しては,theta_1に主として依存し,theta_1≒15°が好適値であることを示した。 続いて,可逆タンデム案内羽根は原理通りに作動するかどうかを確認するため,一様厚さの多重円弧翼からなる可変ピッチ案内羽根と固定案内羽根を試作し,任意波形の往復気流が実現できるタ-ビン試験装置で,タ-ビン性能試験を行った。その結果,可逆タンデム案内羽根が原理通りに作動することが確認され,タンデム化によりディフュ-ザ作用時の可変ピッチ角の挙動が改善されることがわかった。また,前述の定常流れにおける特性を準定常的に用いて往復気流中の特性を評価する,準定常解析手法の妥当性を確かめることができた。 三重県五ヶ所湾口沖の波浪デ-タの収集を行った。例えば,1993年7月における波浪デ-タは,有義波高5.63m,有義周波数12.0秒であった。
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