研究課題/領域番号 |
05555063
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
棚沢 一郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30013105)
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研究分担者 |
永田 眞一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60013182)
二宮 淳一 日本医科大, 第二外科, 助教授 (00112962)
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キーワード | 伝熱 / 凍結保存 / 冷凍 / 解凍 / 生体組織 / 血管 / 相変化伝熱 / 物質移動 |
研究概要 |
前年度に引き続いて、(1)血管の凍結保存技術の開発、(2)凍結保存後に解凍した生体組織の生死判別法の開発、(3)組織細胞の凍結プロセスの数値シミュレーションを行った。 (1)については、主としてラットの大動脈(長さ約10mm、外径約2mm、壁厚0.2mm)を使用したが、他にイヌの大動脈およびブタの頸動脈も用いた。凍害防御剤としては主に10%ジメチルスルフォキシド(DMSO)水溶液を用い、自作のプログラムフリーザ-内で精度よく温度制御しつつ凍結を行った。凍結した血管は、液体窒素中(-196℃)で4週間ないし16か月間保存した後、再びプログラムフリーザ-内で解凍し、次のような方法により成否判別を行った。 前に行ったミジンコの凍結保存実験の場合とは異なり、凍結解凍後の血管の生死判別はかなり困難であることがわかった。いくつかの方法をテストした後、本研究では解凍後の組織の細胞培養、および血管の再移植(ラットの場合)によって判別を行った。その結果、凍結保存後の血管組織細胞の培養によっても、また再移植によっても、血管の生命機能はほぼ健全に維持されていることがわかった。特に血管の再移植については、32匹のラットに移植を行い、8匹が1週間以上生存することを確認した。このうち、手術後2週間ないし4か月経過時のラットを犠牲死させて検査した結果、細胞の増殖と移植した血管の成長を確認した。このことから、本研究で開発した凍結保存技術はほぼ目標を達成したものと判断できる。 (3)については、組織細胞について一つのモデルを作り、水や細胞内外液あるいは凍害防御剤水溶液の細胞膜透過と、相変化を含む熱移動を考慮した凍結過程の数値シミュレーションを行い、冷却速度・凍害防御剤濃度などの差異による凍結プロセスの変化を計算した。
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