研究課題/領域番号 |
05555078
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研究機関 | 仙台電波工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大泉 哲哉 仙台電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (70152048)
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研究分担者 |
服部 正行 仙台電波高専, 電子制御工学科, 教授 (00007022)
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キーワード | 球面連鎖 / 等速自在継手 / 手首関節 / アームロボット / 障害物回避 / 機構設計 / パラレルメカニズム / フックス継手 |
研究概要 |
フックス継手を変形した球面リンク機構を3重に組み合わせた等速自在継手機構を、シェル状のフックス継手の中に組み込んで独特な関節機構を開発してきた。これまでの試作機構は、外側にシェル状のフックス継手を設け、その中間部にプッシュ/プルロッドを2本取り付けて駆動する。そのため操作性に優れていたが、力の伝達経路が複雑で解析が難しく、そのうえ、外部にロッドが露出し衝突などの事故に弱い欠点があった。そこで本研究では、外部のシェル状フックス継手を取り去り、等速自在継手そのものの基部側リンクへ直接プッシュ/プルロッドを取り付けて駆動するモデルを試作第3号機として提案し、解析、設計を進めてきた。力学的解析には、前年度、市販の汎用機構解析ソフトウェアを用いたが、本機構の構造の特異性により、妥当な解析結果は得られなかった。この機構は球面連鎖の応用である。球面連鎖部の対偶軸は常に1点で交わっていなければならない。荷重による変形で対偶軸がずれ、交点を維持できなくなっても、多少のずれでは機構を動作させることは可能である。このことから機構が動きだす際は機構内内力が荷重による対偶軸のずれを相殺するように働き、対偶軸が一点に会すると考えられる。この考えを基に、今年度は独自に開発を進めてきた静力学解析プログラムを用いて解析を行った。また、駆動力の軽減問題にも取り組んだ。本機構は、関節の折り曲げ動作だけを考えると2自由度であるが、パラレル機構の特長を活かしてアクチュエータを3つ取り付けることを計画した。計算の結果、駆動ユニットが発生するべき最大駆動力は、3軸駆動の場合、3軸駆動の3分の1以下という結果が得られた。 以上の計算プログラムによって本格的に強度設計ができるようになったので、今後は設計、製作を進め、第三号機を完成させる計画である。なお、試作第2号機を搭載したロボットシステムの制御部は、ロボットとの接続ユニットが完成しつつあり、今後は、制御プログラムの製作を行って、システムを完成させる計画である。
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