研究分担者 |
新海 孝 アスモ株式会社, 生産技術部
小松 智宏 アスモ株式会社, 生産技術部, 主任
山田 伸志 山梨大学, 工学部, 教授 (90020403)
北村 敏也 山梨大学, 工学部, 助手 (80224971)
松林 勝志 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 助手 (80239061)
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研究概要 |
工業製品として自動車用小型モータの自動検査に取り組んだ。モータはその回転音の騒音レベルが大きければ不良というわけではなく、大きくてもモータらしい軽やかな音がすれば良品と判断される。静かでも違和感のある音が混ざっている場合は不良である。このように判断基準が明確でない感覚的な判断をニューロコンピュータを用いることで自動化を目指した。 まず、実際に組立ライン終端で検査を行うことを考慮した、ニューロ検査システムの開発をめざした。システムは小型コンピュータ,ニューロコンピュータソフト,振動ピックアップ,A/Dコンバータ,および検査結果を箱詰め装置に指示するためのI/Oインターフェースより構成される。これらのうち、A/D,I/O,ソフトの開発を行った。ニューロソフトは通常のパーソナルコンピュータでプログラミングし、これには自動的に学習軌道修正を行い、さらに学習データの特徴抽出まで行うようなアイデアを盛り込んだ。メーカ(アスモ(株))では、ニューロで自動検査するライン設備の開発を行った。 そしてデータ収集システムを用いて、小型モータの振動データを大量に収集した。従来はパワースペクトルを収集していたが、今回はキヤ付モータのため回転周期が長く、データ量が膨大になり学習できない。そこで8つのオクターブバンドフィルタの出力(時間領域)の平均値・最大値・変動量・異音発生回数をサンプリングし、必要となるニューロの入力層ユニット数を減らし、学習効率を高くした。 学習後、未学習データの認識において正答率99%以上を達成した。またグレイゾーンに属するデータはほとんどないことが確認でき、実用化のめどを立たせた。本検査システムは組立ライン終端に組み込まれ、94年9月より試験稼動を開始し、実用化された。認識に失敗したデータについて、学習データに加え再学習するメンテナンスを一度行った。また、ニューロソフトをワンボード化し、システムの小型化・低コスト化を行った。
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