研究概要 |
昨年度に回転機および制御系の原型が完成したリラクタンス型の完全非接触ベアリングレスモータを中心に,モータ負荷や半径方向力を加えた場合の回転機特性と位置制御系の特性を理論的、実験的に検討した。また、誘導機型についても完全非接触5軸制御の試作機を完成し、さらに、当初の予定にはなかった同期機型機についても回転機構造に関する検討を行い試作機をほぼ完成する事ができた。 その結果は次の通りである。 1.リラクタンス型ベアリングレス機に関して、 (a)回転機の励磁電流成分と位置制御電流による本来の位置制御力の方向(α軸方向)に対して、回転機のトルク電流成分と位置制御電流による力が直交方向(β軸方向)に生じるために、負荷状態でも安定に軸支持を実現するにはα軸方向とβ軸方向との干渉を除去するための補償器が位置制御系に必要になる事、またその構成法を明らかにし、DSP(Digital Signal Processor)を用いて実現した。 (b)半径方向の位置制御を行っても、実用的な運動範囲では、回転機定数はほとんど変化しないことを、負荷試験により見出した。 2.完全非接触5軸制御誘導機型ベアリングレス機の試作機により10,000rpmでの安定支持運転を実現した。 3.同期機型ベアリングレス機の界磁磁石の厚さ、ギャップ長とギャップ磁界の強さについて、位置制御と発生トルクの両観点から最適点の選び方についての指針を得た。
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