研究課題/領域番号 |
05555083
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大野 英男 北海道大学, 工学部, 助教授 (00152215)
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研究分担者 |
水田 正志 日本電気, 基礎研究所, 部長
中原 純一郎 北海道大学, 理学部, 教授 (30013527)
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キーワード | サブバンド間遷移 / 化合物半導体 / InAs / GaAs / 量子構造 / 共鳴トンネルダイオード / 分子線エピタキシ |
研究概要 |
本研究は、化合物半導体量子構造中に形成される同一のバンドに属する量子準位間の光学遷移(サブバンド間遷移)を利用した長波長発光素子の実用化のための基礎的研究を行う。対象として取り上げる化合物半導体材料は、AlGaAS/GaAs、InAs/GaSb系である。具体的には(1)素子の設計、(2)素子構造の分子線エピタキシによる結晶成長、(3)量子構造中の輸送特性と発光の基礎過程の測定・評価、(3)発光素子の設計法の確立、(4)素子の製作と性能測定について研究を進め、ヘテロ構造エネルギフィルタを有する量子構造長波長発光素子の性能とその限界を明らかにすることを目的としている。本年度は、素子構造の設計、素子構造の分子線エピタキシによる成長、および量子構造における輸送特性、光学遷移の測定を進めた。設計に関しては、AlGaAs/GaAs系、InAs/GaSb系それぞれについて効率良く反転分布が得られる素子構造を決定し、電流注入でレーザ発振に足る利得が得られることを明らかにした。素子構造の成長に関しては2重障壁共鳴トンネルダイオード構造を成長している。AlGaAs/GaAs系では負性抵抗が得られているが、InAs/GaSb系は、成長条件と成長後のプロセスの最適化を進めている。量子構造の輸送特性、光学特性については、共鳴トンネルダイオードの磁場中での輸送特性を測定し共鳴準位幅の磁場依存性を明らかにした。またサブバンド間の光学遷移をフーリエ変換型赤外分光光度計をもちいて確認した。
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