研究課題/領域番号 |
05555084
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉原 章 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (40166989)
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研究分担者 |
島田 寛 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00006157)
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キーワード | タンデム型ファブリ・ペロー分光器 / ブリルアン散乱 / スピン波 / 反強磁性結合多層膜 / フェリ磁性多層膜 / 磁気定数 |
研究概要 |
当初の平成5年度研究計画では、現有の3+3パスタンデム型ブリルアン散乱装置に改良を加えて、世界最高の性能を有する3+5パスタンデム型ブリルアン散乱装置を完成させることにしていたが、改造のため研究を長期間ストップさせる必要が生ずるため、新たに第2号機として3+5パス型装置を作成することにした。まず、現有の3+3パス型ブリルアン散乱装置の内蔵する問題点を明らかにすることを目的として、様々な金属膜試料についてのスピン波と表面弾性波の測定と散乱スペクトルのシュミレーションを行った。また、測定時間を短縮し研究効率を向上させるため、高性能の光学部品を購入し、光学系の伝達効率の改善も併せて行った。 現有の3+3パス分光システムは、金属磁性体のスピン波の研究のみならずフォノンの研究にも極めて有効であることが明らかになったが、シグナル強度が計算値の30〜40%程度しか得られていないことが分かった。この原因を追及した結果、タンデム分光器では2台のファブリ・ペロー干渉計が常に同じ波長の光を分光するように同期掃引させる必要があるが、同期掃引条件の僅かな狂いがシグナル強度を大幅に低下させることが明らかになった。シュミレーションの結果、この問題を解決するためには、2台の干渉計の間隔を1μm以下の精度で合わせる必要があることが分かった。 以上の結果を考慮して、3+5パス型分光器には同期掃引条件を完全に満足させるための微調整機構を新たに加えることとした。分光器作成に必要な部品は既に揃っており、現在、東北大科研付属機械工場で分光器本体の組み立てが進行中である。平成6年4月末までには完成予定である。
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