研究課題
光照射法によるNiZn、MnZnフェライト膜の膜堆積速度、その組成について調べた。膜堆積速度は、Fe_3O_4膜を作製する場合には及ばないものの光照射をしない場合に比べて〜5〜10倍の膜堆積速度を得たが、膜中のFe以外の金属イオンが多くなるにつれて小さくなる事がわかった。また、スピンスプレーフェライトメッキ法によって作製したNiZnフェライト膜の直流抵抗を測定し、ほぼバルクと同程度の抵抗値を持つ膜を作製できる事がわかった。さらに、NiZnフェライト膜の強磁性共鳴の半値幅は、多結晶膜であるにもかかわらずバルクの単結晶と同程度の半値幅を持つものを得られる事がわかった。NiZnフェライト膜をアニールして強磁性共鳴、誘電損失を測定した。アニールすることにより誘電損失は一桁程度小さくできたが、強磁性共鳴半値幅はアニールする前よりも広がることがわかった。これはγ-Fe_2O_3の相が形成されるためと考えている。また、NiZnフェライト膜を数時間真空処理して誘電損失や磁気特性を測定した。真空処理によって、アニール処理と同じく誘電損失を小さくできた。真空処理の場合には、アニール処理の場合のような磁気特性の劣化は観測されなかった。真空処理による誘電損失の改善の機構について検討している。また、ネットワークアナライザ等で測定される誘電率等の値は基板を含めた値なので膜自体の値を計算するための解析を行っている。作製した膜を用いてサ-キュレータを作製するための設計と準備を進めている。
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