研究課題
1、マイクロ波損失の低減法の確立購入したスピンスプレーフェライトメッキ装置を用いてNiZnフェライト膜を作製した。膜は9GHz帯域で狭い強磁性共鳴幅H=50〜200 Oeとバルク試料なみの飽和磁化Msを持っていた。しかし誘電損失がtanδ=〜0.1と非常に低かったので300℃で膜を熱処理したところtanδは減少したが、Msが減少し、また抗磁力Hcも増大してしまった。そこで、室温で膜を3〜16時間ほど真空処理(0.01ton)したところ、MsとHcをそこなうことなく、tanδを測定限界の0.002程度まで減少させることに成功した。真空処理により、メッキ中に膜中にとりこまれたOH基が脱離されたためと考えられる。2、キレート化フェライトメッキによるMnZnフェライト膜の作製スピンスプレー法で作製したMnZnフェライトMn_xZn_yFe_<3-x-y>O_4では、Mnの固溶限界がx<〜0.7であった。これはスピンスプレー法では、中性(pH=6.8〜7.2)領域の反応液を用いるためであると考えられる。そこでpHを高め、かつ高pH領域でのFeイオンの沈澱を防ぐためキレート化剤を用いて錆体を構成することによってx+y=0.1のMnZnフェライト膜を作製することに成功した。3、Baフェライト、YIG膜の作製キレート化剤を用い、Feイオンの沈澱をおさえて、高いpH(=11〜13)領域で、BaFe_<12>O_<19>およびY_3Fe_5O_<12>膜の作製を試みた。メッキしたままではアモルファスであったが、熱処理することによりバルクの試料なみの結晶性と磁性を有する膜を得ることができた。
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