研究課題/領域番号 |
05555095
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 陽一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00013110)
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研究分担者 |
谷内 哲夫 東北大学, 金属材料研究所, 助教授
荒川 泰彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30134638)
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キーワード | 電気光学定数 / 光損傷感度 / ニオブ酸リチウム / プロトン交換導波路 / タンタル酸リチウム / KTP / マッハツェンダー干渉計 / ホログラフィックグレーティング法 |
研究概要 |
我々はマッハツェンダー干渉計を用いた強度変調型の簡易な測定装置を設計・試作し、ニオブ酸リチウム導波路の電気光学定数を測定した。この装置は、印加する電圧が比較的小さくてすみ、従来のものより1桁、精度がよい。光源として波長632.8nmのHe-Neレーザを用いた。レーザ光を参照光と測定光に二分し、測定光をプリズムで導波路に入射した。電極間には周波数50Hzの変調電圧を印加し、変調された導波光を参照光と干渉させた。干渉パターンを拡大し、フォトダイオードで電気信号に変換してオシロスコープで変調率を測定した。変調率から半波長電圧を求め、電気光学定数を計算した。また、基板に漏れる光による影響を電界分布を考慮して補正し、導波層の正味のr'33を求めた。この測定装置を用いた測定により、ニオブ酸リチウムのバルクの電気光学定数は32.2(pm/V)であるが、プロトン交換層の値はこの値の1/20程度になること、劣化した電気光学定数がアニール処理によって回復することなどの測定結果を得た。 また、我々は、ホログラフィックグレーティング法を用いた光損傷感度測定装置の設計・試作を行った。Arレーザを2光束に分け、プリズムで導波路に入射して干渉させた。光損傷が起こって導波路に屈折率変化が生じると、干渉縞が導波路上に書き込まれ、屈折率変調型のグレーテイングが形成される。このグレーティングに対するHe-Neレーザの回折効率を測定し、光損傷による屈折率の変化量を求めた。この測定装置での測定により、ニオブ酸リチウムのプロトン交換導波層の光損傷感度は10^<-11>(cm^2/J)程度であるが、アニールによって光損傷に弱くなるという結果が得られた。現在、KTPのイオン交換導波路、タンタル酸リチウムのプロトン交換導波路を作製中であり、これらの試料についても電気光学効果および光損傷特性の測定を行う予定である。
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