研究課題/領域番号 |
05555105
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
沢田 康次 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80028133)
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研究分担者 |
中島 康治 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (60125622)
室田 淳一 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (70182144)
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キーワード | ニューロチップ / アナログメモリー / ボルツマンマシン / 集積回路 / フローティングゲート / 学習機能 / シリコンIC / ヘブ学習 |
研究概要 |
新しいアナログ記憶素子であるSDAMを開発した。SDAMはフローティングゲートを持ちその部分に蓄えられる電荷をアナログ記憶として用いる。SDAM単体レベルと神経回路用のシナプスとしてのレベルで詳しい測定を行い、その特性を評価した。これらの結果は数値解析による結果とよく一致し当初の目的が達成された。この結果は神経回路網学会、電子情報通信学会、さらに1993年のInternational Conference on Solid State Devices and Materialsで発表し高い評価を得、また平成5年12月に行われたIEEEが共催する国際会議NOLTAでもその成果を発表した。現在論文としての発表を準備中である。 またSDAMを回路要素として用いたチップを設計し、製作中である。設計は各種のシミュレイションを行い、マスクパターン用のCADによるレイアウトを完了した後、集積用マスクを発注し、シリコンプロセスを行い、最終段階としての製作調整中である。このチップは20ニューロン、380シナプスの規模であり、回路規模の増加に伴って発生している問題点は、ニューロチップに正確な動作をさせるために各シナプスをプログラムする必要があり、そのための外部インタフェースが煩雑になることである。この点を考慮して現在チップ内部での学習によりその動作を確立する検討を開始しており、このチップには決定論的ボルツマンマシンとしての学習機能が埋め込まれている。このチップは単体レベルからさらに発展したSDAMの回路要素としての特性評価、ならびに学習機能の評価を行うレベルにある。このレベルでの正解を与えるニューロチップとしての測定の後に回路規模のレベルアップを図る予定である。 MOSFETのプロセスとしても現在のNMOSからCMOSへと移行するための新たな回路設計を完了し、集積用マスクを発注する段階にある。回路規模としては決定論的ボルツマンマシンとしての学習機能を埋め込んだチップと同レベルである。
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