研究課題/領域番号 |
05555120
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
魚本 健人 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80114396)
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研究分担者 |
渡部 正 前田建設工業(株), 技術研究所, 主任研究員
大賀 宏行 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (40152061)
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キーワード | コンクリート / 赤外線 / 型枠 / 打設管理 / 非破壊検査 / 温度分布 / 現場計測 |
研究概要 |
近年、コンクリート構造物の劣化が大きな問題となっているが、その原因の多くは施工不良によるものである。施工不良はなかなか改善されていないが、その原因は施工時の定量的な管理が行いにくいこと、コンクリートが打設している時にはなかなか欠陥部分を見つけにくいこと等である。そこで、本研究では、通常は型枠に遮られて外からは見ることのできないコンクリートの打設・養生状況を、赤外線センサーを用いて、非破壊でかつ広い範囲を定量的に管理する新しい管理システムを開発することを目的としている。本研究で開発した手法の原理は、赤外線センサーを使用してリアルタイムで型枠外部からコンクリートの表面温度分布を計測し、数値解析によりコンクリートの打設高さ、品質の分布、締め固め不足によるジャンカの発生等を検出するばかりでなく、最適な脱型時期をも産出するものである。 平成5年度までの研究結果をまとめると以下のようになる。 1)型枠中に各種コンクリートを打設し、コンクリートの打設状況を赤外線センサーおよびビデオカメラでモニタリングした結果、リアルタイムで型枠外部からコンクリートの打設高さ、空隙(5cm以上)の有無、品質の分布、締め固め不足によるジャンカの発生等を精度良く検出できることが明らかになった。 2)初期材令における表層部コンクリートの強度推定については、実験で求められたコンクリートの断熱温度と圧縮強度の関係と赤外線センサーによる型枠表層部温度計測結果から、精度良く推定することができることが明らかになった。 3)現場における計測を念頭において、各種環境要因(日照、風、等)の変化による計測値のばらつきを測定し、その対策を検討した結果、測定前の事前計測を実施し、各点における初期値を計測すればその影響を排除することができることが明らかになった。
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