研究分担者 |
前田 研一 東京都立大学, 工学部, 助教授 (60244414)
長井 正嗣 長岡技術科学大学, 建設系, 助教授 (20207971)
藤野 陽三 東京大学, 工学部, 教授 (20111560)
奥井 義昭 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40214051)
山口 宏樹 埼玉大学, 工学部, 教授 (50134474)
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研究概要 |
本研究は斜張橋の長支間化に伴う不安定現象を静的・動的両面から検討し,予想される不安定現象に対する構造的対策を開発することを目的とした.斜張橋は設計の自由度が高く構造形式は多岐にわたるが,本研究では最も標準的な3径間マルチファンタイプの斜張橋に限定し検討を行った. 今年度の研究成果をまとめると下記の通りである. 1.昨年度に引き続き修正E_f法を用いて面内耐荷力の検討を行い,主桁の橋軸方向の弾性支持の方法について検討を行った.これより,支間長や桁と塔の剛比といった設計パラメータに対する最適な弾性支持の大きさ・配置方法を明らかにした. 2.耐荷力の評価は最終的には有限変位解析により行うが,その際に問題となる初期形状の決定問題について検討し,実用的な解析方法を提案した. 3.支間が長大化するに従い死荷重による主桁の軸力が増加し,結果として活荷重に対する耐荷力が減少する.面内耐荷力の検討を行った結果,自定式の斜張橋では中央支間が1000mを越える辺りから何らかの対応策が必要になることを示した. 4.これに対する構造的対策として,(a)塔位置における主桁の補強と(b)側径間のケーブルを一部アンカーに直接定着する一部他定式の2つの構造的対策の検討を行った.その結果自定式斜張橋の主桁の補強については,支間が1400mでは材質をSM490YからSM570材を用いた法が鋼重量の面から得策と考えられる.ただし,高材質のため横方向の剛性が低下することから,横荷重に対する安定性の照査が必要になる. 5.斜張橋ケーブルの風による不安定振動を抑制する目的で,ケーブル連結法の制振メカニズムを実験的及び解析的に検討した.
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