研究課題
本研究は耐久性と経済性を同時に達成可能な斜張橋のシステム開発を意図するものである。まず、本年度は海外において経済的であるとして採用され始めた斜張橋システムの長支間化に伴う応力性状や安定問題を明らかにすることを中心に検討した。海外での実績調査から、それぞれの橋梁の設計法や施工法を整理するととも、我国での適用に当たっての問題点を明らかにした。そして、今回開発対象としている断面を支間500mに適用して静的挙動を中心に検討を行った。主構応力を対象とした静的挙動に限定する上では大きな問題は生じないことを明らかにした。したがって、静的現象を対象とする上では、以上の支間までは経済性が十分に発揮できるものと考える。さらに、このタイプの耐久性の解明を目的として、車両走行に伴うとくにケーブル振動をも同時に考慮できる効率的な動的応答解析プログラムを開発し、基本的検討を実施した。この解析プログラムを用いてさらに耐久性の保証と対策のための研究を継続していく予定である。また、主桁部材の耐久性の検討として、各種構造デイテールを対象とした疲労実験を行い基本的なデータを得た。今後、このデータを用いて長期的にメンテフリーとなりうる構造詳細の検討を行い斜張橋システムとしての可能性を明らかにしていく。耐風安定性については、既に経済的と考えられる対策が特定の条件で見つかっている。そのため、断面諸元をパラメータとした検討から各種断面形の安定性について検討を行っていく。
すべて その他
すべて 文献書誌 (6件)