研究分担者 |
橋本 正 大阪土質試験所, 副所長
小嶋 啓介 福井大学, 工学部, 助教授 (40205381)
木村 亮 京都大学, 工学部, 助手 (30177927)
三村 衛 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00166109)
田村 武 京都大学, 工学部, 助教授 (30026330)
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研究概要 |
本研究は,シールドトンネルを具体例とする地下構造物の土圧発生のメカニズムの解明を第一目標とし,今年度は以下に示す研究を実施した. 1.土圧の理論的研究 (1)数値解析:弾塑性,弾粘塑性構成式を用いた有限要素解析と剛塑性有限要素解析を,以下の1g下の模型実験を解析することによって比較検討した. (2)古典理論:Terzaghiのゆるみ土圧算定式の改良を行い,裏込注入によってシールドトンネル周辺地山が膨張する場合の土圧の算定式を導き,下記の1g下での模型実験と比較し良好な結果を得た. 2.移動床土圧に関する1g下と遠心力場による模型実験 (1)1g下の模型実験:底盤が40分割され,各部の作用土圧が計測できる実験装置を新たに試作し,移動板が上昇する場合と降下する場合の,移動板と底板各部の土圧分布の変化を調べた.地山材料にはアルミ棒積層体を用いた. (2)遠心載荷装置による模型実験:地盤材料に豊浦標準砂を用いる軸対称土槽による降下床装置を新たに試作した.1g下の実験結果と比較し,良好な結果を得た.今後はさらにデータの蓄積が必要である. 3.土圧測定データの分析 (1)記録収集:過去に得られた土圧の経時変化記録の分析,片福連絡船大川シールドで得られる予定の各種記録のデータベース化を実施した.現在来年度の研究の継続作業として,土圧の挙動を分析し,その特性を定性的に説明できるかを検討作業に入っている. 4.注入の評価 (1)脈状注入:力学モデルを作り,脈状注入が地山全体にどのような効果をもたらすかを破壊力学の立場から分析した.注入の範囲は地盤の性状より決まることから,これまで積極的に制御されていなかった.来年度は,効率的な注入を促進する目的で制御注入の方法を検討する予定である.
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