研究課題/領域番号 |
05555145
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
椎葉 充晴 京都大学, 工学部, 助教授 (90026352)
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研究分担者 |
立川 康人 京都大学, 工学部, 助手 (40227088)
堀 智晴 京都大学, 工学部, 助手 (20190225)
中北 英一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70183506)
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
高棹 琢馬 京都大学, 工学部, 教授 (30025895)
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キーワード | 流域特性 / メッシュ / マクロモデル / 水文モデル / 集中化 / キネマティックウェーブモデル / ダイナミックウェーブモデル / スケールマップ |
研究概要 |
気象系との相互作用を考慮に入れて流出系の分析を行う場合、相互の時間・空間スケールをどのように調整するかが重要な課題となってくる。一般には、我が国での従来の流出系の分析スケールは、一河川流域規模を超えるものではなく、気象系の分析スケールと歩調を合わせるには、流出系モデルのスケールアップが必要となってくる。 本研究では、流域特性をメッシュ単位で集中化し、それらの結合体としてマクロ水文モデルを構築するために、一般的な河道網のモデルをスケールアップする方法について検討し、二つの河道網モデルを構成した。一つは流れの状態をkinematic waveモデルで記述するもの、もう一つは流れの状態をdynamic waveモデルで記述するものである。前者は急峻な上流域など河川流量の低減の少なく、また分流やループがなく、構造が比較的単純な河道網に対して適用されることを想定している。後者は低平な下流域など、河川流量の低減が大きい河道網に対して適用されることを想定している。また対象河道網内に分流やループが存在していてもかまわない。 河道網内の流量の分布が線形性の仮定を設けて、集中化されたkinematic waveモデルを構築し、仮想的な河道網に本手法を適用した。その結果、集中化しない場合とほとんどかわらない結果が得られ、本手法の有効性を確認した。 また、河道網内の状態量の分布に線形性の仮定を設けて、集中化されたdynamic waveモデルを構築した。仮想河道網に本手法を適用した結果、集中化されたkinematic waveモデルほど、よい結果をだすことができないことが判明し、その原因が、合流点の水深の推定方法にあることを明らかにした。次年度で、この点を改良することにより、精度の高い集中型のdynamic waveモデルを構築する見通しがついた。
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