研究課題/領域番号 |
05555151
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
栗本 譲 名城大学, 理工学部, 教授 (30043201)
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研究分担者 |
藤田 素弘 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (90229013)
松井 寛 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20024242)
米澤 彰賢 名城大学, 理工学部, 講師 (50076551)
松本 幸正 名城大学, 理工学部, 助手 (30239123)
高橋 政稔 名城大学, 理工学部, 助教授 (40076576)
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キーワード | 視覚障害者 / 高齢者 / 案内・誘導 / 微弱電波 / 心理地図 / システム |
研究概要 |
平成5年6月中旬に、前年度までの研究成果を元に案内・誘導システムのシステムモジュールとなる微弱電波送信装置の仕様を決定し、業者に作成を依頼した。 微弱電波送信装置の性能の概要は、発振周波数100KHz〜110MHzの範囲で同時に8波発振可能である。発振周波数は、自由にプリセットでき、周波数の変更が簡単にできる。また、発振8波のうち、5波はFM波、3波はAM波とする。案内・誘導情報は、エンドレステープに吹き込んだ音声情報をカセットデツキを使用して送信装置に情報を入力できるものである。 平成5年10月中旬に、作成依頼した微弱電波送信装置が納入されたので、装置の取り扱い方法およびその性能等についてのテストを繰り返すとともに本装置を使用して実用試験実施場所の選定と心理地図作成を行った。実用試験実施場所は、候補地4カ所の内から、視覚障害者が比較的多く利用し且つ心理地図の作成が容易で実験後の解析しやすい場所として、地下鉄鶴舞駅5番出口と鶴舞中央図書館の約140m区間で実施する事に決定した。 実験は、平成6年1月15、16日に参加者約35名で実施した。被験者は、20名で内アイマスクを装着して歩行訓練を受けたことのある者8名(内視覚障害者1名)、初めてアイマスクを装着した未経験者12名で年齢は20歳前後の健常者である。機器の配置は、実験区間に7カ所のチェックポイントを作り、心理地図情報を提案した。チェックポイントの内、最初の点に今回開発した微弱電波送信装置を設置し5チャンネルの電波を利用して、1チャンネルで周辺の施設情報を、他のを、他の4チャンネルでそれぞれ施設えの案内・誘導情報を提供した。その他の3チェックポイントには、過去の科研助成金で作成した送信装置(2波送信可能な装置1式、1波送信可能な装置2式)を設置し、残りの3チェックポイントには心理地図情報を入れたカセットデツキを置き、被験者が指定区域に入ったときカセツトデッキを手渡し情報を提供した。被験者は携帯しているラジオから情報を入手し目的地である鶴舞中央図書館で移動した。 被験者の歩行挙動を解析するため、被験者にカセツトデッキを持たせ、実験中のつぶやきと危険防止のために付けた補助者の助言を録音した。また、被験者の動きを解析するために、出発点から終点まで被験者の歩行挙動を8m/mビデオで録画した。さらに実験終了時に実験に関するアンケートも取った。 現在、実験結果の解析を進めているが、作成した微弱電波送信装置はほぼ初期の目的を発揮しており、装置としては満足しうるものであることが明らかになった。作成した心理地図もアンケートの結果から見るとほぼ満足しうる情報を提供していることが明らかとなり、多くの新しい知見を得ることができた。
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