研究課題/領域番号 |
05555151
|
研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
栗本 譲 名城大学, 理工学部, 教授 (30043201)
|
研究分担者 |
藤田 素弘 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (90229013)
松井 寛 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20024242)
米澤 彰賢 名城大学, 理工学部, 講師 (50076551)
松本 幸正 名城大学, 理工学部, 助手 (30239123)
高橋 政稔 名城大学, 理工学部, 助教授 (40076576)
|
キーワード | 視覚障害者 / 高齢者 / 案内・誘導 / 微弱電波 / 心理地図 / システム |
研究概要 |
平成5年度に作成した微弱電波送信機を利用して視覚障害者を利用した歩行案内システムの実験を実施した。 平成6年10月1日(土曜日)、2日(日曜日)に視覚障害者29名と視覚指導員6名により名古屋市地下鉄桜通線桜山駅改札口から名古屋市博物館正面玄関までの歩道において実験を行った。 視覚障害者歩行案内システムの配置は以下の通りである。 試験区間は486mでこの区間を10等分して、各区間に心理地図放送設備を設置した。 機材の関係から、測点1、2、3に微弱電波送信装置を設置し他の区間にはテープレコーダを置き、微弱電波送信装置の代わりとした。微弱電波送信機から半径5m以内にのみ到達するFM電波を発信させ、被験者は携帯するラジオから所用の情報を入手して行動する。テープレコーダ設置地点では、測点に描かれた半径5mの円内に被験者が入ったとき、補助者が情報の入っているテープレコーダーを手渡すことにより被験者は、イヤホーンから必要情報を入手させた。なお、各地点での発信情報は被験者がほぼおなしように聴取できるように、放送局のアナウンサーに依頼して作成した。 実験前に被験者の自己評価アンケートを作成した。その内容は、フロファイル、歩行に必要な情報、歩行自己評価、KEYワード言語的方角理解度である。また、実験では各区間毎に測定が終了してからその区間での心理地図についての総合評価を行い、次の区間の測定に入ることとした。さらに実験ではこの他ビデオデッキより被験者の挙動を撮影したのでこれより区間間の歩行速度を求めることが出来る。実験は測定時間等の問題から23名が参加し、その内2名が盲導犬を連れていた。 1.視覚障害者の自己プロファイルをもとに8種類のデータでクラス分けが可能となった。クラスは歩行能力の大小と歩行程度の大小により3種類に区別できた。 2.クラスAはもっともレベルの低いクラス、クラスCはもっともレベルの高いクラスであり、クラスAの歩行速度は0.51m/sec,クラスBは0.60m/sec、クラスCは0.76m/sec、盲導犬を持った被験者は1.08m/secであった。なお、盲導犬を持った被験者は、クラスCに入る。 3.各測点毎に得られたデータをもとに主成分分析、クラスター分析を行ったところ9種類のでデータが得られこれよりC4,C5,C6が異種のデータであり、情報提供の不的確さを示す情報であることが明らかとなった。 4.情報提供の内容とその構成要素が我々が提案している内容とほぼ同一であることが解り、視覚障害者に対する情報提供の基本的な方向ずけが明らかとなった。
|