研究課題/領域番号 |
05555161
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
両角 光男 熊本大学, 工学部, 教授 (50040449)
|
研究分担者 |
伊藤 重剛 熊本大学, 工学部, 助教授 (50159878)
位寄 和久 熊本大学, 工学部, 助教授 (00244103)
川床 睦夫 財団法人中近東文化センター, 主任研究員 (00260141)
堀内 清治 熊本工業大学, 工学部, 教授 (70040350)
青木 義次 東京工業大学, 工学部, 教授 (80159300)
|
キーワード | 発掘調査 / 都市遺跡 / イスラム史 / 3次元モデリング / 3次元グラフィックス / マルチ・メディア・システム / 知識表現 / 推論機構 |
研究概要 |
1.発掘調査の過程で収集した大量の情報を扱えるよう、画像情報管理システムや遺跡の空間構造表現システムを改良した。合わせて、これまで5年間、6期の調査で収集したアル・トゥール遺跡の3次元実測データを組み合わせて遺構配置や遺物分布を3次元画像表現し、遺跡の鳥瞰的考察を行った。現地では捉えにくかった建築遺構と発掘前地形の関係、建築遺構と遺物の広域的な分布の関係、建築遺構の配置に内在する3系統の軸線などが容易に読み取れるようになった。 2.発掘現場における考古学者との観察・討論、さらには文献資料を手がかりに、遺構の材料・形状・施工単位から、断片的に発掘された遺構の建築としてのまとまりや施工順序、さらには空間用途を推測するための知識を収集整理した。 3.建設時の設計ルールを想定し、それらを手がかりに、部分的に発掘された建築遺構から、残りの部分の空間構成や部材構成を復元的に考察する方法を提案し、ギリシャ神殿について支援システムを試作した。全体から部分まで体系的なルールがあったと仮定したシステムでは、特定の実測情報から全体を推測し、3次元モデルを描画したり、入力したもの以外の実測値との誤差を検討できるようになった。しかし、実際には神殿毎に個別的な設計ルールがかなり組み込まれていたとの判断から、研究者が試行錯誤しながら、作業過程で適宜ルールを組み込んだり変更したりできるような、柔軟なシステムに変更中である。平面的考察の部分までは改訂を終了した。 4.8mmビデオカメラを使って発掘現場における観察を記録し、即日的に画像データベースを作成する技術をほぼ確立した。発掘過程で1日あたり延べ1時間の観察を録画するものとして、一人の作業者が、毎日50〜60枚の画像データや撮影位置・方向等の基礎データを登録し、検索情報を付加するなどの一連の処理を完了できるような作業性が得られるようになった。
|