研究課題/領域番号 |
05555164
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 晃彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (90195355)
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研究分担者 |
柴富 邦夫 日本電子, 電子光学技術本部、応用センター, センター長
矢野 信三 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60005915)
箕西 靖秀 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70005958)
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キーワード | 走査電子顕微鏡 / 電顕内高温引張 / ガス分析 / ヘリウム脆化 / 水素脆化 / バナジウム合金 / 金属間化合物 / その場観察 |
研究概要 |
1.装置の開発:電子顕微鏡内引張試験装置、試料加熱ヒーター、質量分析計および映像モニタリングシステムの走査電子顕微鏡本体への装填が終了し、装置全体としての機能を発揮する段階に来ている。高温での引張変形においては、高温側での熱電子放出、ノイズ発生および変形中の試料温度の定常性などに問題があったが、それらは今年度の改良でほぼ解決され、現在、実験に着手している。 2.研究の成果:この装置を用いてヘリウム添加したバナジウム合金の高温における変形挙動とヘリウム放出挙動を調べている。これまでに、室温から800℃までの温度域において通常の引張試験機によるものと同様の応力-歪み曲線を得ることおよびその温度域における試料表面映像のビデオ撮影に成功している。ヘリウム添加したバナジウム合金を高温で変形すると、降状後に変形の進行と同時に不連続なヘリウムガスの放出が認められた。すべり変形とヘリウムガス放出との相関についてビデオ撮影結果を元に詳細に検討している。また、変形後期から破断に至る過程においては、変形初期に比べ多量のヘリウム放出が観察された。破壊様式は粒界割れであり、粒界にヘリウムが集合することによって粒界脆化割れが発現したと考えられる。変形に伴うヘリウムガス放出は、変形中のヘリウムの粒界への移動のメカニズムとして転位輸送機構が適当であることを示唆している。現在、マイクロクラック発生とすべり変形およびヘリウム放出挙動の関連を動的にその場観察にて調べている。
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