研究課題/領域番号 |
05555169
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河本 邦仁 名古屋大学, 工学部, 教授 (30133094)
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研究分担者 |
桑原 勝美 名古屋大学, 工学部, 助手 (40023262)
鈴木 豊 名古屋大学, 工学部, 助手 (60023214)
徐 元善 名古屋大学, 工学部, 助手 (30242829)
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キーワード | Silicon Carbide / Boron Carbide / Thermoelectrics / Chemical Vapor Deposition / Porosity / Microstructure / Percolation / Crystal Orientation |
研究概要 |
今年度はn型半導体として多孔質SiCセラミックス、p型半導体としてCVD炭化ホウ素セラミックスの微細構造の最適化による変換効率のより一層の向上を目指して研究を進めた。まず、CVD法によって中空状SiC微粒子を合成し、この成形体にポリカルボシランを含浸し、焼結することにより多孔質SiC素子を作製。また、中実粒子との混合粉末の通常焼結によっても素子作製が可能となった。その微細構造は粒径二重分布をするという特異なものであり、熱電特性も気孔率と粒径の両方に依存して変化した。導電率、熱伝導率は共に気孔率に対する変化がパーコレーション理論で良く説明されたが、ゼーベック係数は粒径に対する依存性が強く、これらの結果から誘導される最適微細構造は従来提案したモデルとは若干異なるものであった。一方、p型素子として炭化ホウ素をCVD合成し、その熱電特性を微細構造との関連に着目して解析した。その結果、組成が同一の素子においても、CVD条件(ガス流速等)によって特性が異なることを改めて確認し、さらに形成厚膜における結晶軸配向性の違いが顕著に特性の差異に反映されることを見出した。また、他の微細構造因子との関連も追求中であるが、格子欠陥、粒界などの影響が示唆されるものの確定的段階には至っていない。以上の研究以外にも、籾毅灰中のシリカを原料としてSiCを合成し、熱電素子への応用を検討した結果、市販高純度原料から調製した素子と同等の性能を示すことを見出した。
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