研究分担者 |
丸野 透 日本電信電話株式会社, 境界領域研究所, 研究員
林 孝好 日本電信電話株式会社, 境界領域研究所, 主任研究員
渡辺 明 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (40182901)
伊藤 攻 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (30006332)
小波 秀雄 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (40186713)
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研究概要 |
フタロシアニン金属錯体は比較的容易に合成でき,熱的にも化学的にも高い安定性を有するので,顔料,光伝導材料として広く使用されている。しかし,構造的に特殊な非対称フタロシアニン金属錯体の合成研究は極めて少ない。籏野.小波は非対称フタロシアニン金属錯体の分子設計を行い,それらの分光学的性質を群論を用いて詳細に吟味し、実際に合成した多くの非対称フタロシアニン金属錯体の構造とそれらの電子吸収スペクトルの関連を明らかにした(Molecular Physics,80,153頁〜160頁(1993年))。これらの非対称フタロシアニン金属錯体の分子間相互作用の制御の結果,右に示すFormula Iの分子がSapphire R(1102)面上にOrganic Molecular Beam Deposition(OMBD)法で正しく配向することを発見した(Jpn.J.Applied Phys.,32,L628〜L630(1993年))。Reflection High-Energy Electron Diffraction(RHEED)法による解析によると,長軸が互いにずれて配向した単結晶類似の配向をなし(J.Cryst.Growth,印刷中),このFormula Iの分子薄膜上にOMBD法で蒸着したチタニルフタロシアニン膜は従来のチタニルフタロシアニン膜の100倍程度の非線形光学特性を示すことを発見した(Nonlinear Optics,印刷中;特許願 平成4年121060号)。
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