研究概要 |
Ag-Cu,Ag-FeおよびNi-Ti合金系において、それぞれの金属元素の薄板(50μm程度)を100枚程度積層し、これを圧縮により1/2の厚さに変形し、得られた試料を切断し、再び積み重ねて圧縮変形を繰り返した。10回程度の圧縮の繰り返しによって100ナノメーター程度の極薄積層試料が得られた。これらの積層膜試料は、膜厚の減少と共に降伏強度が上昇し、膜厚100ナノメーターの試料では圧縮強度が700MPaに達した。また、Ag-Fe系においては、磁場中で電気抵抗の減少する。いわゆるGMR(巨大磁気抵抗効果)が観測された。この現象は数ナノメーターから10数ナノメーターの寸法に磁性、非磁性相が混合したときに見のであり、繰り返し圧縮試料で、この現象が見られたことは、これらの単純な操作でナノメーター寸法にまで組織を微細化し得ることを示している。
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