本研究では電子線励起による軟X線分光法の薄膜-基板接合の非破壊評価法としての、この手法の新しい応用による半導体基板への超微細コンタクト形成をその初期段階から解明することを目指し、研究を進め以下の成果を上げた。 1.電子線励起軟X線分光の表面研究への応用計画の立案・実施:補助金により購入したマルチチャンネル検出器、マルチチャンネル検出器用コントローラを用い電子線の侵入深さや軟X線の脱出深さを応用した軟X線分光の表面分析装置への応用の机上案を立案し、作製した。また、その装置のパーソナル・コンピュータによるデータ取り込み、データ処理等のコントロールシステム、ソフトウェアを完成させた。 2.超微細コンタクト形成のための基礎実験:消耗品費で購入した半導体基板、反応ガス等を用いて超微細コンタクト形成のための予備的実験を行った。 3.電子線励起による軟X線分光測定の新しい応用による超微細コンタクト形成:金属(超薄膜)-Si(基板)接合をCVD法などにより作製し、新しい軟X線分光装置による半導体基板へのコンタクト形成過程の研究を行い、測定の高速化の所期の目的が達成されていることを明らかにした。 4.超微細コンタクト形成については、初期的な成果を上げつつあり、次年度において、目的の実現を目指す。
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