研究分担者 |
遠藤 博司 大同特殊鋼(株), 技術開発研究所・新素材研究室, 研究員
藤根 道彦 大同特殊鋼(株), 技術開発研究所・新素材研究室, 主任研究員
高橋 喜一 名古屋大学, 工学部, 助手 (70023190)
藤澤 敏治 名古屋大学, 工学部, 助教授 (20115629)
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研究概要 |
固相エレクトロトランスポート法による希土類金属の高純度化に関する研究の一現として,希土類金属にイットリウムを不純物に酸素を選定し実験を行い,以下の知見を得た. 1.研究室既存の種々の装置と組合せ,非常に活性な希土類金属の高純度化に使用することができる,固相エレクトロトランスポート精製システムを構築した。 2.不活性ガス融解・熱伝導度検出法による希土類金属(イットリウム)中の酸素の定量分析法の最適条件として,抽出温度2873Kにおいて,白金を助燃剤として,モル比で0.5(イットリウム1gに対して白金2.2g)以上添加すればよいことを決定した。 3.固相エレクトロトランスポート処理によって,イットリウム中の酸素はアノード側へ移動し,カソード側が精製されることが分かった. 4.イットリウム中の酸素に関するエレクトロトランスポート特性値(有効原子価ならびにσ等)を測定した.その結果,酸素濃度の増加にともなって,イットリウム中の酸素の有効原子価は増大する傾向を示した.また,σを単位電場の強さ,単位試料長さ当たりの値として整理したところ,良好な直線性を示し,温度の上昇にともなって,減少する傾向を示した.さらに,イットリウム中の酸素の易動度は,温度上昇にともなって増大する傾向を示したが,1400K以上ではほぼ一定の値となった. 5.イットリウム中の酸素の拡散係数を1173K〜1563Kの温度範囲で決定した. 6.4.で得た知見を考慮し,工業的観点から,イットリウム試料のサイズのスケール・アップを図り,実際にイットリウム中の酸素の除去を試み,大規模化における問題点を指摘した.
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