研究課題/領域番号 |
05555206
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中尾 真一 東京大学, 工学部, 助教授 (00155665)
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研究分担者 |
大久保 達也 東京大学, 工学部, 講師 (40203731)
長本 英俊 工学院大学, 工学部, 教授 (40111471)
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キーワード | 無機分離膜 / ゾル-ゲル / CVD / 水素 / 酸素 / 二酸化炭素 |
研究概要 |
1.水素分離膜の開発 基材として細孔径が40オングストロームの多孔質ガラスを用いて、TEOS-オゾンの熱CVDを行い、選択的に水素を分離可能な無機分離膜の合成に成功した。更に水素-窒素系について分離実験を行い、分離係数の圧力、温度、供給ガス組成依存性について検討を行った。この結果を合成条件フィードバックし、膜性能の向上の可能性を検討中である。 またゾル-ゲル法を用いて合成したナノ多孔質アルミナ薄膜にに貴金属粒子を分散させることにより、水素-窒素の選択性を向上させることができた。 2.酸素分離膜の開発 ゾル-ゲル法を用いて、YSZ多孔質薄膜の製膜手法を確立した。昨年度までは粒子状のコロイド粒子が分散したゾルを用いて合成を行っていたため、製膜後の乾燥-焼成段階で収縮に伴うクラックの発生が避けられなかった。シリカ系では直線上の高分子状のコロイドが分散したゾルを用いることにより、ファイバーなどを合成できることが知られているが、このようなゾルは多孔質基板に容易にしみこんでしまうため、薄膜合成には適していなかった。我々はゾルコニア系で高分子状のゾルを合成できる条件を見いだし、これと従来の粒子状のゾルとを混合することによって、数100オングストロームの細孔を有する薄膜をクラックフリーで製膜する手法を開発することに成功した。 3.二酸化炭素分離膜の開発 上述の熱CVD法を用いて合成した水素分離膜に関して、二酸化炭素を分離できる条件の探索を進めている。
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