研究課題/領域番号 |
05555213
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中塩 文行 九州大学, 工学部, 教授 (70037729)
|
研究分担者 |
坪井 彦忠 三井サイアナミット株式会社, 技術研究所, 所長
拵 隆彦 九州大学, 工学部, 助手 (20233679)
後藤 雅宏 九州大学, 工学部, 助教授 (10211921)
|
キーワード | タンパク質 / 分離 / 抽出 / 逆相ミセル / 界面活性剤 / 分子集合体 / マイクロエマルション / 酵素反応 |
研究概要 |
これまでに、市販界面活性剤を用いた系により、タンパク質の分離や反応に関する工学的アプローチが行われてきたが、本研究ではその本質に立ち戻り、実際に分離場を提供する界面活性剤分子に着目し、分子レベルの観点からの研究を展開した. 特に初年度は、新しい分子集合系の構造とこれを用いたタンパク質の分離場としての機能性の評価に焦点を絞り、具体的に以下のような実験を行った. 1.新しい分離場及び反応場を提供する新規界面活性剤の合成 有機媒体中における分子集合体をタンパク質の選択的分離場及び生体触媒の反応場として利用するために、分子設計に基づき新たな界面活性剤を数種類合成した。具体的には、界面活性能力の異なる様々な疎水基を有するリン酸型の界面活性剤を設計し合成した. 2.新規界面活性剤の分子集合形成能力の評価 合成した界面活性剤の分子構造と分子集合体の形成能力の関係を明らかにした。用いる界面活性剤の分子構造が、逆相ミセルの形成に極めて大きな影響をおよぼした.中でもリン酸型の界面活性剤は、接触する水相のpHを調製することによって、逆相ミセルの形成能力を制御できることが明らかとなった.さらに、2種類の界面活性剤を適当な割合で混合することによって、逆相ミセルの会合形態を制御することに成功した. 3.タンパク質の分離場としての評価 上記で合成した界面活性剤を用いて、タンパク質の分離場としての評価を行った.特に界面活性剤の疎水基の分子構造が、タンパク質の抽出において重要な役割をおよぼすことを明らかにした。さらに、合成した界面活性剤で酵素を被覆することによって、有機媒体中で、大きな触媒活性が得られることがわかった.
|