• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

熱CVDによる多孔質体上への超薄型酸素イオン伝導膜の作製

研究課題

研究課題/領域番号 05555215
研究機関九州大学

研究代表者

今石 宣之  九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (60034394)

研究分担者 秋山 泰伸  九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (10231846)
佐藤 恒之  九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (80170760)
キーワードCVD / モンテカルロ法 / 燃料電池 / イットリア安定化ジルコニア / スッテプカバレッジ / 固体電解質
研究概要

本年度行った事柄とその結果は下記の通りである。
1.3次元成膜プログラムの改良:
昨年度製作した簡易モンテカルロ法のプログラムを改良した。ホール形状を微小なキューブで表わすことで3次元任意形状のホールを製作できその上への成膜形状をシミュレーションできるようになった。本コードで多孔質基板上のジルコニア、イットリアの成膜形成をシミュレーションできる。
2.流れのある場合のシミュレーション法の開発:
ホールの上下に圧力差をつけることで完全閉塞膜を作る実験方法が報告さえている(九大・諸岡教授ら、大阪市立大・矢野教授ら等)。そこで前駆体分子を多数飛ばすことで非等圧系のシミュレーションできるフルスペックのモンテカルロ法のプログラムを開発した。本コードを使用することで圧力差がある場合、ホール内部の前駆体分子の濃度が増え閉塞し易くなるという結果がえられ、上述の実験結果が裏付けられた。
3.他の酸化物系への応用:
他の酸化物系(Li20,Nb203,ZnO)のステップカバレッジを上述のプログラムで解析し、付着確率が得られた。一般にこれらの酸化物系の付着確率は高温で大きく温度と共に減少することを明らかにした。
4.最も薄い膜で完全閉塞を得る方法の開発の:
昨年度及び今年度の結果より本研究の目的である燃料電池電解質に適した基板の細孔を完全に閉塞する極薄膜の作成のためのCVD操作法として、
・高温成膜過程(付着確率が大きい)でホール開孔径を小さくし、そこで反応温度を下げ、定温成膜過程(付着確率が小さい)にして閉塞させる方法が適当であることを明らかにした。この方法で最も薄い膜で細孔の完全閉塞が可能である。
今後は、現在作製中である機密試験装置により上述の閉塞プロセスを使用して製作した膜の機密試験を行い、また実際に製作したイットリア安定化ジルコニア(YSZ)膜のイオン伝導率試験を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 今石 宣之: "CVDのシミュレーション-移動現象、反応のモデル化" 表面科学. 15. 233-239 (1994)

  • [文献書誌] Yasunobu Akiyama: "Reaction Analysis for ZrO2 and Y203 thin film gorowth by LPCVD using β-diketonate complexes" Journal of Crystal Growth. 147. 130-146 (1995)

  • [文献書誌] 鄭 相鐵: "酢酸亜鉛を原料とするZnOのAPCVD" 化学工学論文集. 21. 143-151 (1995)

  • [文献書誌] 鄭 相鐵: "酢酸亜鉛を原料とするZnOのCVDに対する操作圧の効果" 化学工学論文集. 21(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Yasunobu Akiyama: "Occlusion of microscale trench and hole by thin film grown via CVD-3-dimensional Monte Carlo Simulation-" Proc 4th ASME/JSME Thermal Engineering Joint Conf.(in press). (1995)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi