研究課題/領域番号 |
05555220
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
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研究分担者 |
水谷 悟 キリンビール(株), 研究員
本多 裕之 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70209328)
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キーワード | 動物細胞培養 / 溶存酸素濃度 / 栄養源濃度 / 培養制御 / エリスロポエチン / L-929細胞 / 固定化担体 |
研究概要 |
1.L-929細胞を我々が開発した多孔性セルロース担体に固定化してエリスロポエチン(EPO)の連続生産を行った。インナーループ型バイオリアクターが良い結果を与え、50日以上の連続生産が可能であった。 2.溶存酸素濃度の影響をEPOとテイシュープラスミノーゲンアクチベータ-(tPA)生産について調べた。その結果、動物細胞の増殖には5ppmが最適であるが、EPOとtPAの生産には10ppm程度のより高い溶存酸素濃度が適していることがわかった。さらに細胞増殖に適した溶存酸素濃度と生理活性物質の生産に適した溶存酸素濃度に分けて培養する効果についても検討し、効果があることがわかった。 3.EPOなどの生理活性物質を生産するための固定化動物細胞による高密度培養が注目されている。このためには溶存酸素濃度を最適値に保つと共に、栄養源であるグルコースやアミノ酸の枯渇を防ぎ、阻害的な代謝産物である乳酸とアンモニア濃度を高めないように栄養源濃度の制御を行うことが重要となる。そこで我々が開発した多項目同時測定システムと溶存酸素制御システムとを固定化動物細胞バイオリアクターによる物質生産へ応用し、効率的物質生産が可能なことを明らかにした。サンプリング及びろ過装置は特にろ過部分を改良し、長期間使用後も細胞による目づまりがないようにして、現有の高速液体クロマトグラフと組み合わせてオンライン測定装置として用いた。その結果、ハイブリドーマ細胞の場合にはグルコースまたはグルタミン濃度を低く保つとモノクローナル抗体の生産性が向上することがわかった。
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