研究課題/領域番号 |
05555221
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新名 惇彦 大阪大学, 工学部, 教授 (30029235)
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研究分担者 |
吉田 和哉 大阪大学, 工学部, 助手 (50252622)
関根 政実 大阪大学, 工学部, 助手 (70226653)
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キーワード | アラビドプシス / 熱ショックエレメント / タバコ培養細胞 / 西洋ワサビペルオキシダーゼ / 傷害誘導シスエレメント / GUS発現 / プロトプラスト / CaMV35Sプロモーター |
研究概要 |
タバコ培養細胞、Nicotiana tabacum BY2、を遺伝子組換え技術により有用物質を生産させる系の開発を目指し、そのモデル系として植物で研究によく用いられている大腸菌のβ-グルクロニダーゼ(GUS)を操作可能な制御遺伝子の支配下で発現生産させることを目的とした。成果を要約すると、 1.アラビドプシスの熱ショックエレメントの機能 GUS遺伝子をアラビドプシスの熱ショックタンパク質遺伝子、HSP18.2上流の熱ショックプロモーターに連結し、タバコ培養細胞に導入した。予想通り培養温度を28℃から35-37℃にシフトすると2時間以内に約1000倍のGUS活性の上昇が見られ、誘導は転写レベルで起こっていた。対照のCaMV35Sプロモーターの支配下ではGUS活性は25-37℃の範囲でほぼ一定であった。培養温度の制御により遺伝子発現をON-OFF制御できる例である。 2.西洋ワサビのペルオキシダーゼ遺伝子、prxC2上流の傷害誘導シス配列の利用培養細胞はすでに傷害を受けた状態にあると考えられる。上記遺伝子は翻訳開始点の289bp上流に傷害誘導にかかわるCACGTGをコア配列とするシスエレメントがある。上流500bp断片をGUS遺伝子に連結し、タバコプロトプラストに導入し、GUSの一過性発現を調べた。本来の配列とコア配列の間に6塩基挿入したものとではGUS活性には30倍の差があり、このシスエレメントは培養細胞での遺伝子高発現に有用であることが示唆された。
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