研究課題/領域番号 |
05555221
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 (1994) 大阪大学 (1993) |
研究代表者 |
新名 惇彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30029235)
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研究分担者 |
吉田 和哉 大阪大学, 工学部, 助手 (50252622)
関根 政実 大阪大学, 工学部, 助手 (70226653)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | タバコ培養細胞 / β-グルクロニダーゼ / 物質生産 / プロモーター / シロイヌナズナ / 熱ショック遺伝子 / キュウリ / アスコルビン酸オキシダーゼ遺伝子 |
研究概要 |
遺伝子組換え技術を用い植物細胞培養による物質生産を行わせる、新しい系の開発を目指し、本研究では宿主細胞として選んだタバコ培養細胞、Nicotiana tabacom BY2で、外来遺伝子を高発現させるプロモーターおよび発現を誘導・抑制できるシスエレメントの検索を行った。 1)培養温度による遺伝子発現のON-OFF制御が可能で、かつ高発現プロモーターの候補として、シロイヌナズナ、Arabidopsis thaliana、の熱ショックタンパク質遺伝子、HSP18.2、の熱ショックプロモーターを選んだ。熱ショックエレメントを含む約700bp断片をβ-グルクロニダーゼ(GUS)構造遺伝子に連結し、タバコ培養細胞の染色体に組み込んだ。タバコ細胞の生育温度は25-28℃が最適であるが、GUS活性は極めて低く、期待どうり35-37℃で高い活性を示した。培養温度を25℃から37℃にシフトするとGUSのmRNAは15分後に検出され、2時間で最大値に達し、4時間後にはほぼ消失した。一方、酵素活性は4時間まで急速に上昇し、24時間までほぼ一定であった。37℃での酵素活性は25℃での値の約3000倍と極めて高い熱ショック誘導が確認された。 2)西洋ワサビ・ペルオキシダーゼ遺伝子、prxC2、のプロモーター上流-289bpに傷害による発現誘導に関するCACGTGをコアとするシス配列の存在が明らかになった。このシス配列を破壊したプロモーターでは、タバコ細胞でのGUS活性が明らかに低下した。培養細胞での遺伝子の高発現にはこのシス配列が有効であると考えられる。また、キュウリのアスコルビン酸オキシダーゼ遺伝子のプロモーターもタバコにおいて強い転写活性を示し、これも応用可能なプロモーターであると判断した。
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