研究課題/領域番号 |
05555226
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
合志 陽一 東京大学, 工学部, 教授 (90111468)
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研究分担者 |
河合 潤 京都大学, 工学部, 助手 (60191996)
早川 慎二郎 東京大学, 工学部, 助手 (80222222)
宮村 一夫 東京大学, 工学部, 講師 (40157673)
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キーワード | 全反射 / 表面分析 / 放射光 / 光電子 / 試料電流 |
研究概要 |
本年度の研究実積は大きく以下の3つに分類される 1.広領域測定用の電子分光器の設計、作成 全反射条件を有効に利用するためには広領域を見込むことのできる電子分光器の実現が不可避である。本年度は阻止電場型の電子分光器を設計、作成した。エネルギー分解能などの評価を行うとともに実際にオージェ電子測定に応用を行った。 2.試料チャンバーの作成 放射光および通常のX線源を用いて全反射測定を行うことのできる高真空チャンバーを作成した。致達真空度は10^<-8>torr台で、測定信号としては放出電子、試料電流、蛍光X線の測定が同時に可能である。また高真空で使用可能でかつ回転精度の高い資料回転機構を作成し、高真空中で全反射条件を実現することを可能にした。また、試料ホルダー部にも工夫をし、X線照射時に試料からの流れる電流(試料電流)を測定できるようにした。 3.放出電子と試料電流の比較 作成した複合表面解析装置を用いてSi、GaAsなどの半導体ウエファーについて放出電子、試料電流の視射角依存性を同時に測定した。事前の理論的検討から予想された通り、全反射臨界角近傍でいずれの信号も極大をとった。このことは試料電流の測定は放出電子総数を測定することと等価であることを意味している。詳細に解析を行うと、試料電流測定は放出電子測定よりもさらに表面選択的であり、表面から10オングストローム以下の領域を測定できることが明らかになった。 このように、本年度は目的とした装置の基本構成を実現し、実際の測定を開始することができた。
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